『環境公共政策論』研究リポート


1 はじめに
 第5章「環境保全と費用負担原理」をとりあげ、費用負担原理のあり方を効率性、公平性、環境保全への効果といった観点から評価する。
環境政策の実施には様々な費用がかかる。それを「環境保全費用」と呼ぶ。この環境保全費用は誰かが何らかの形で負担しなければならない費用だが、それを誰がどのように負担すべきなのか、その配分のルールが定められねばならない。これを「費用負担原理」と呼ぶ。
具体的な課題、問題を、対策と今後の取り組み、その環境問題・環境政策の背景や発生理由、政策の正当性について論ずる。

5.1 問題の所在―これまでの研究とその到達点
5.1.1 環境保全に関わる費用とは何か
 1960年代から70年代の高度成長期に、甚大な公害被害を経験した日本では、公害による社会的費用とは何か。それを誰にどう負担させるのが公平なのかが一大テーマとなった。したがって本章では何よりもまず、これまでの議論の中で何が解明され、何が未解決なのかを整理することから始めたい。
第1に問題となるには、そもそも環境保全に関わる費用とは何かという問題である。

5.1.2 環境保全費用と社会損失・社会的費用
(1) 社会的費用概念とその計測
 環境保全費用が、以上のような広がりを持つ包括的な費用概念であるとしても、それはいわゆる社会的費用と同一な概念だと考えてよいであろうか。答えは否である。本章は社会的費用について詳細に論ずる場ではないので、ここでは、簡潔に「環境保全費用」と「社会的損失」、「社会的費用」といった概念との関係に絞って論ずることにしよう。
(2) 環境保全費用と社会的費用の関係
 さて、いかなる方法で計測するかという問題はあるが、これらいずれかの方法によって環境悪化がもたらす社会的費用が定量的に評価されたという。環境政策論では、これらの費用は内部化されるべきだとか、PPPに従って原因者が負担すべきである、と主張されてきた。しかし、社会的費用は原因者に何らかの費用を負担させる際の理論的根拠にはなるが、それがそのまま原因者に何らかの費用を負担させるべき費用と一致するわけではない。

5.2 費用負担原理
5.2.1 原因者負担原則と拡大生産者責任
 環境保全費用の規模が決定されると、次に問題となるには、それを誰がどれだけ負担するのかという点である。そこで、費用負担のあり方を決めるルール、つまり費用負担原理が問題である。

5.2.2 受益者負担原則と納税者共同負担原則
 「受益者負担原則」は、原因者負担原則とは対照的な費用負担原理である。これは、汚染原因者ではなく、環境対策を実施することによって便益を受ける主体がその費用を負担すべきという考え方である。このような考え方の適用事例の典型は、農業環境政策の領域にみることができる。

5.2.3 潜在的責任当事者負担原則と拡大原因者負担原則
 第4の費用負担原則は、アメリカのスーパーファンド法で採用されている費用負担制度を念頭に置いた「潜在的責任当事者負担原則」および「拡大原因者負担原則」である。

5.3 社会的共通資本と費用負担原理
5.3.1 環境保全費用の規模の決定
 まず事前的な環境保全費用のうち、事前的な未
然防止費用をいかに配分すべきかについて検討しよう。未然防止費用は、環境悪化を未然防止するための環境政策と密接な関係を持っている。環境政策の内容が未然防止費用の規模を決定するといってよい。

5.3.2 公的負担と私的負担の関係
(1) 共同処理とその費用負担原理ー下水道の費用負担システム、(2)共同処理から発生源での処理へー廃棄物・リサイクル政策と費用負担
以下は、寺西俊一・石弘光編集『環境保全と公共政策 岩波講座 環境経済・政策学(第4巻)』岩波書店 2004年2月16日 図1DSDの費用負担の仕組み p139. 図2 容器包装リサイクル法の仕組み p141.参照。古林英一著『環境経済論』日本経済評論社 2005年1月31日 p217.参照。


図1はDSDの仕組みを示している。DSDに参加する生産者は、その商品の包装がDSDによってリサクルされていることを示す「緑のマーク」を商品に添付することが許可される。


5.4 事後的な環境保全費用の負担原理
 次に、事後的な環境保全費用とその費用負担原理について検討しょう。その上で、事後的な環境保全費用に関する負担制度の制度設計上、何がもっとも問題となるのかをみていくことにしよう。

5.5 環境保全費用の負担原理の評価
以上、社会的共通資本を維持管理するための環境保全費用をいかに調達し、はいぶんしていくべきかについて検討してきた。結論として重要ことは、できる限り原因者負担原則、あるいは拡大生産者責任に忠実に費用負担システムを構築すべきだという点である。

 第1に、何らかの正当性が存在する場合を除いて、公的負担の比率を必要以上に高めるべきではない、原因身分の負担を軽減することは、産業政策上必要かもしれないが、公平性を満たさず、その費用負担システムの持つ政策効果を低下させる。長期的には、環境保全に関する技術革新を阻害することにもつながるであろう。さらに、公的負担率の高い処理技術がつねに選択されてしまうことによって、最適な処理技術の選択をあやまることになる。この結果、社会全体として処理費用はつねに膨張しがちになる点で効果的でない。

 第2に、原因者が負担すべき総費用を各排出者に配分する際には、個々の排出者が総経費にどれだけ寄与したのかをできる限り正確に反映するような指標をつくり、それに基づいて総費用の配分を行うのが望ましい。


 しかし第3に、事後的な環境保全費用の負担システムを構築する際には、原因者負担原則を上述のような意味で徹底できない場合がある。
 いまは、資源に乏しいわが国が持続可能な発展を実現していくために必要不可欠な課題、環境にしてもなにかにつけて、コストいくらかかるかの経済面にも考慮し、明らかにしていかないと、利用は望めないと考える。

最後に、これからの環境政策の課題と展望を考えていくうえでは、いわゆる「公共性」ないし「公的利益」とはそもそも何か、という問題についての現代的な視点からの再検討、および、その担い手に関する新たな視点からの検討が求められているということである。こうした点では、今後、市場セクターを担う企業の新たな使命や役割とともに、自立的な市民の協働セクターを担うとしてのNGOや非営利セクターとしてのNPOなどがはたすべき意義と役割もますます大きなものとなっていくであろう。
 これからの「環境政策」には、従来までの狭義の「環境政策」の領域ないし分野のみでなく、他の領域ないし分野、とりわけ従来までは、「経済政策」の領域とされてきた諸分野にまでおも踏み込んでいくことが新たに要請されている。

6 課題と今後の取組み例
 例えば地球温暖化防止や廃棄物・リサイクル対策といった分野において、先進的な環境技術を具体的に開発、普及したり、これらの環境対策が組み込まれたまちづくりを進め、それを中心に具体的に地域全体の活性化を図っていく必要がある。
また、例えば、優れた自然景観や温泉等の観光資源が集中している国立公園等の地域については、保護と利用に関する各種施策を積極的に活用し、観光資源を地域活性化に結びつけていくことが有効である。

現代の日本における基幹的な交通システムは、自動車交通によるものである。大都市市街地や長距離区間の旅客輸送では鉄道や地下鉄、航空機が担う部分があるが、高速道路が整備され、舗装道路が津々浦々まで延伸した状況にあって、陸上部では貨物、旅客とも自動車交通が主役と言って過言ではない。平成12年度の輸送機関別分担率では、貨物輸送量の約90%、旅客輸送の約74%が自動車によるものとなっており、平成2年度の同分担率に比べると特に旅客輸送の自動車割合が増加している。

これは、戦後一貫して自動車の保有台数が増え続けていることにもよる。自動車による移動は、出発地と目的地の間のルート選択に自由度があり、路線バスなど以外は出発時間を任意に決めることができるという便利さも、他の輸送手段と大きく性格と異にしている点である。運転免許証の保有者数も、自動車保有台数の伸びとほぼ同じ傾向で増え続けている。
しかし一方で自動車交通の増加は、次のような様々な問題を都市や環境、地域社会に投げかけている。

・交通事故の増加
排気ガスの排出による大気汚染
・交通弱者に対する危険性の拡大
・交通渋滞の発生
・都市整備における制約

 これらは、行政による道路設計の改善や道路整備の充実だけでは解決しにくい問題である。地域住民が、人と自動車との共存を可能にする都市構造を積極的に考え、まちづくりの中で生かしていくとともに、自家用車の使用に頼る自らの生活スタイルを見直し、公共交通機関や自転車などのほかの交通手段をできるだけ利用するなどが必要とされる。

経済と環境の関係については、「経済成長か環境保全か」「開発か環境か」というジレンマとして捉えるのではなく、これまでの生産と消費のパターンを見直し、持続可能で環境負荷の少ない経済発展を目指すという視点で捉えることが重要である。「持続可能な開発」は、現代の環境問題を考える上での基本となるキーワードで、「環境と開発は切り離すことのできない関係にある。開発は環境や資源というベースの上に成り立つものであって、持続的な社会の形成のためには、環境の保全が必要不可欠である」という考え方といえる。

 環境と調和した生活の促進のため、民間団体による先駆的かつ効果的な実践活動等をモデル的に支援する例として、マイバックを持参する、過剰包装を避ける、詰め替え商品を選ぶなど日常の買い物におけるごみの減量化や省資源化を進めるため、平成17年10月に消費者に対して環境に優しい買い物の実践を呼びかけるキャンペーンを、コンビニエンストア、スーパー、生活協同組合、百貨店、商店街等の協力を得ながら取組み例。

 また、関係4省庁(警察庁経済産業省国土交通省及び環境省)による「エコドライブ普及連絡会」において、駐停車時のアイドリングストップをはじめとする環境に配慮した自動車の使用(エコドライブ)の普及推進策として、やさしい発進の取組み例。

環境の学習を進めていくと、学習者は、自分たちの住むまちの環境問題の存在に気づき、その原因が自分たちの生活にあることに容易に気づくことができる。しかし、問題の大きさに自分たちの未来を悲観的にとらえたり、自分ではどうすることもできないという無力感を感じ、行動に結びつきにくい側面が生じることがある。

全国各地で、住民によるまちづくりの活動が広がっている。まちづくりの内容は、環境、福祉、景観、防災、交通、教育文化など多方面にわたる。住民によるまちづくりは、行政だけに任せずに、住民にとって暮らしやすい、よりよい地域を自分たちの手で創っていこうとするものである。
また、まちづくりの実践をとおして住民が身に付けることができるものは多く、問題解決に向けての企画・立案力、異なる意見の調整力、実行力や活動の推進力、課題の発見能力、意思伝達能力、他者の意見を理解する能力などのほか、調査能力や表現力などがあげられる。これは自主的にまちづくりに参画するなかで自然に培われるものである。

環境学習の目標は、長期的視点や社会的公正さを備えた持続可能な社会づくりに参画できる人づくりにある。地域を舞台に、よりよい地域を創っていくまちづくりと環境学習との連携が求められる。持続可能な地域社会を実現していくことが、地球規模の持続可能性を実現する道筋をひらくことになる。
地域固有の山並みや川、海といった自然や地勢を骨格として、そのうえに建築物、農地、道路といったさまざまな人工物や営みが積み重なり、それらが集合して景観は成り立っている。景観はその地域の自然、風土、歴史、文化、産業、生活などを映し出し、私たちは景観からその地域における人間による環境への働きかけ、人間と環境とのかかわりや文化を推察することができる。その意味で、景観は環境問題の入り口に立つ番人であり、見張り役と言う人もいる。

人々の感じる美は多様であり、美しい景観とは何かということに関する合意も難しいかもしれない。しかし、多くの人が美しいと感じる都市や町は現実に存在する。美しい景観はそこに住む人々の生活のありようを反映したものである。地域がめざしている将来像、そこに住む人や事業所の価値観やふるまいの作法が問われているといえる。

 (1)欧州における取組
成熟社会を迎えた欧州では、いち早く持続可能な都市(サスティナブル・シティ)の実現に向けた取組が進められており、これらは、大きく次の3
つの政策に分類することができます(表2-2-1)。

ア 土地利用と交通計画による環境と福祉の統合
社会福祉先進国であるデンマークの首都コペンハーゲン市では、ノーマライゼーションの考えに基づき、また、家族が住みやすいまちづくりやヨーロッパの環境首都を目標にした取組を進めています。具体的には、5本の近郊電車(Sバーン)を5本の指に見立て、このSバーン沿いに市街地を展開しており、それ以外の地域では土地利用の規制を強めつつ、大規模な緑地を確保し、コンパクト化による地域熱供給システムの導入を図るフィンガープランと呼ばれる施策を実施しています。また、バス交通網の充実やバスと鉄道の乗り継ぎ利便性の向上、中心部への自動車の流入規制や駐車場の削減、自転車道ネットワークの整備などの交通政策を段階的に進めています。このような取組の結果、市街地に隣接して大規模な緑地空間が保全されることとなり、環境への効果のみならず、市民の憩いの場としても機能しています。また、現在、通勤時には市民の約30%が自転車を利用するようになるなど成果を上げています。

イ 市街地の自動車抑制による持続可能な交通システムの実現
また、ノルウェーの首都オスロ市は、環境政策として、交通渋滞の緩和、公共交通機関の拡張などの取組を行っているほか、交通部門における環境負荷の低減を目的に、市中心部に設置されたゲート(トールリング)を通過するすべての車両に通行税を課し、そこで得た資金を活用して地下幹線道路の建設やその他交通システムの改善を行っています。このような取組を通じて、市中心部の地上道路で交通量を減少させることに成功し、この結果、スムーズな交通が確保され、交通事故が減少したほか、大気汚染や騒音問題も改善されました。

欧州ではこのようなサステナブル・シティの取組に対する「持続可能な都市大賞」という表彰制度があり、上記2都市もその受賞都市です。このように、EU加盟国内において持続可能な都市についての知見や経験が共有され、また、蓄積される仕組みが作られています。

(2)米国における取組
米国では、現在も人口増加が続いていますが、そのスピードを上回って郊外における住宅開発や自動車交通が拡大しており、このような郊外化によって野生生物の減少などの自然環境や大気汚染、水質汚濁、地球温暖化、騒音といった環境問題、中心市街地の衰退、市街地の犯罪増加などを招き、それがさらなる郊外化を引き起こすという悪循環が見られます。
一方で、交通混雑や大気汚染の解決するために行われた道路整備が誘発交通を生み、自動車利用の拡大を招くなど、政策自身がスプロールを助長することにもなりました。また、郊外化を抑制するために行われる土地開発規制では、きめ細やかな対応が難しいことから、適切な土地利用を促進する取組が求められるようになりました。
このため、歩いていける範囲に商業、居住、オフィス、娯楽、公共サービスなど様々な施設や公園、広場、緑地などのオープンスペースが配置された、多機能なコミュニティ空間を形成することや、貴重な自然環境を最大限に保全しつつ、エネルギー消費を最小限に抑える環境に配慮した社会システムの構築を目指し、新規開発を一定の区域に誘導することや公共交通機関の整備などを行う「スマートグロース(賢明なる成長)」の取組が広がっています。
ア 予算の集中投資による都市開発の誘導
ワシントンDCに隣接するメリーランド州では、2025年には2000年に比べ16%も増加することが予想されるなど人口増加が著しく、田園への住宅進出が進んでいました。そこで、従来の土地利用規制に加え、住みやすい都市環境づくりへの支援や自然資源及び農地の保全を通じ、経済成長と環境保護のバランスの取れた持続可能な開発の促進する「スマートグロースイニシアティブ」を実施しています。
具体的には、州の公共事業等への支出を優先的資金投資エリアに限定することでその区域の利用を促進するスマートグロース区域法に基づき、中心市街地での職場や遊び場としての環境を整え、住みやすいと思えるコミュニティの維持・再生を図っています。また、農地の買い取りによりグリーンベルトを確保する田園遺産保存制度に基づき、都市開発によってだんだんと縮小していく自然資源の適正な管理・保護を行っており、これらの施策によってバランスが取れた地域の発展を目指しています(図2-2-1)。

イ 複数の核への成長の集約と公共交通ネットワーク
ワシントン州シアトル市では、住宅と雇用、ショッピングやレクリエーションなどの住民サービスをアーバンビレッジという特定地域に集中させ、各ビレッジを公共交通機関で結ぶことにより、職住近接なコンパクトなまちづくりを目指した「アーバンビレッジ構想」を実施しています。
アーバンビレッジは、そのエリア内の徒歩圏で生活サービスを充足させ、都市圏域での公共交通利用を促進させることに狙いがあり、商業機能や居住区域などが集まり高い優先度で開発を進める地域(アーバンセンター)を設定するほか、集合住宅地域(居住アーバンビレッジ)や居住地区、重要商業地区が混在する地域(ハブアーバンビレッジ)など、その特性に応じ細かに設定しており、これらの核となる地域を、アーバンビレッジ交通ネットワーク計画に基づき、2030年までに交通網で結ぶことを予定しています(図2-2-2)。

これらの取組の結果、大気汚染や省エネルギーなどの環境保全効果はもちろんのこと、コンパクトな都市構造による公共投資の節約、コミュニティの生活の質の向上、これに伴う経済競争力の高まりなどが期待されています。

(3)わが国の先進的取組
わが国でも、持続可能なまちづくりを進める機運が高まる中、行政やコミュニティなど、さまざまな主体によるまちづくりが始まっています。
ア コンパクトシティの取組
富山県富山市では、「街の顔」となる中心市街地の再生と車に過度に頼らない、歩いて暮らせるまちづくりを目標として、まちなか居住を促進するための公的補助、空き店舗の活用をはじめとする中心市街地の再生事業を行うとともに、高齢者等の交通弱者にもやさしいLRT(Light Rail Transit)と呼ばれる路面電車の導入をはじめとした公共交通機関の充実により、まちの再生・活性化を図っています。このような取組には、中心商店街の活性化のみならず、コンパクトな都市構造による省エネルギーなど、環境負荷を低減する効果が期待されます。

また、富山高岡広域都市圏第3回パーソントリップ調査では、都市圏の将来像の設定に当たり、都市構造と公共交通の利用が現況のまま推移した場合や都市機能の都心部集約と公共交通重視を行った場合といった6つのパターンを想定した検討がなされています。これによれば、都心部に都市機能を集約し公共交通の利用促進を同時に行うパターンが、最も自動車の利用が抑制され、二酸化炭素排出量の削減に効果があると試算されています(図2-2-3)。

イ ひとと環境にやさしい交通まちづくり
大阪府池田市では、エコドライブの推進と駅ボランティア事業の取組により、「ひとと環境にやさしい交通まちづくり」を進めています。エコドライブ推進事業では、運送車両315台に運転状況にあわせて音声でエコドライブを指導するデジタルタコグラフを設置した結果、平成17年度は約1,300トンの二酸化炭素排出量が削減されました。また、駅ボランティア事業では、「心のバリアフリー」を目標に掲げ、高齢者や障害者の移動や荷物の運搬等の支援を行うなど、公共交通機関の利用の促進を図りました。これには、駅改札前のポイ捨てが減少したなどの副次的な効果も見られました。

ウ コミュニティバス
京都市伏見区の醍醐地区は、市営バスの撤退により地区内の移動が不便になったことや、高齢化の進む山沿いの公営団地に、公共交通機関の運行が求められていたことから、「醍醐地域にコミュニティバスを走らせる市民の会」が地元事業者の協力を受けて、コミュニティバスの運行を開始しており、現在は「醍醐地域にコミュニティバスを走らせる市民の会」と名称を変更し、活動を行っています。
このコミュニティバスは、高齢者や子どもたちなど、この地区の住民にとって、日常生活の貴重な足となっているだけでなく、自家用車を利用する場合と比較して二酸化炭素排出量が1人当たり約半分で済むといった環境負荷低減効果が得られています。
http://www16.ocn.ne.jp/~daigobus/index.html
エ 自転車のまちづくり
秋田県二ツ井町では、東京都杉並区でごみとして扱われ処分に苦慮していた放置自転車を再利用することにより、まちを活性化する事業に取り組んでいます。まちの主要な10か所のステーションに合計450台の自転車を設置するほか、町道・県道にあわせて総延長約3キロに自転車歩行車道を整備するなどの自転車のまちづくりを推進しており、地域の若者から高齢者、さらに観光客等にも利用してもらうことで、駅周辺や中心市街地、市内観光スポットなどへの「人」の流入を図り、中心市街地を賑いのある元気な「まちの顔」へと再生を図っています。このような取組の結果、車依存のライフスタイルから、車と自転車・歩行の使い分けへの転換が進んでおり、移動時の二酸化炭素排出の抑制効果が期待されます。
オ 地域冷暖房の取組
光が丘パークタウンは、練馬区板橋区にまたがり、周囲に緑の公園を配し「自然と調和した緑豊かな明るい街」として建設された12,000戸の大規模住宅団地です。この団地と、隣接する住宅、学校、商業施設、官公庁施設を対象として、光が丘清掃工場の発電後の復水排熱を利用した高効率な熱製造と熱供給が行われています。この取組により、同様の施設を重油で賄った場合と比較して、二酸化炭素は66%減、NOxは72%減、SOxは94%減と大幅な環境負荷削減効果が得られています(東京熱供給株式会社の試算結果より)。
カ 自然再生の取組
埼玉県川越市所沢市狭山市三芳町にまたがる通称「くぬぎ山地区」では、都市化の進展や農業の衰退により、平地林の転用や荒廃が進んだことから、オオタカなどが生息する武蔵野の面影を残す貴重な平地林が失われています。

この平地林を未来の世代に継承することを目的として、平成16年に自然再生推進法に基づく「くぬぎ山地区自然再生協議会」が発足し、地権者、土地所有者、市民団体、関係行政機関等の多様な主体により同地区における特別緑地保全地区制度を活用した樹林地の保全・再生・活用のための検討が進められています。
http://www.pref.saitama.lg.jp/A09/BD00/kunugiyama/kyougikai/index.html
参考文献
(1) 古林英一著『環境経済論』日本経済評論社 2005年1月31日 p105-224.
(2) 寺西俊一・石弘光編集『環境保全と公共政策 岩波講座 環境経済・政策学(第4巻)』岩波書店 2004年2月16日 p123-148.
(3) 寺西俊一編集『新しい環境経済政策 サンテイナブル・エコノミーへの道』東洋経済新報社 2003年11月20日 p251-345.
(4) 環境省編集『環境白書(平成18年版)』ぎょうせい 2006年5月31日 
(5) 環境省編集『環境循環型社会白書(平成19年版)』ぎょうせい 2007年6月6日 

図引用参照
寺西俊一・石弘光編集『環境保全と公共政策 岩波講座 環境経済・政策学(第4巻)』岩波書店 2004年2月16日 図1DSDの費用負担の仕組み p139. 図2容器包装リサイクル法の仕組みp141.
古林英一著『環境経済論』日本経済評論社 2005年1月31日 p217.

引用ホームページ参照
環境教育・環境学習データーベース「エコ学習ライブラリー」
http://www.eeel.jp/ 最終アクセス2007.8.22

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ipodマップの活用携帯電話GPS!さらにHPにも

衛星位置推移確認情報GPSipod検索・経路の活用
これからは地下鉄においても利用可能を目指す。

ipodマップの紹介、(32GBを使用)を以下で写真を見せます。
現在ではGooge検索、経路さらにメール送信することが可能となっている。










地図活用はいろいろなるものである。

[http://map.yahooapis.jp/MapsService/embedmap/V1/?lat=35.31464278&lon=136.87582127&sc=5&mode=map&pointer=on&home=on&hlat=35.31555194&hlon=136.87493389&s=12346759125cb432790a16134f86c0e94bd599e7da&width=480&height=360'>:title]



都市のイメージの理想とは

新しいまちづくりのあり方に向けてめざすべき都市にイメージとは、最近名古屋市景観計画が景観法に基づく景観計画を策定され、現行の都市景観整備地区において、特に都市景観形成計画の見直しを行ったところでありますが、名古屋駅前地区について、その名古屋市景観計画(以下、景観計画という)を課題として今回の論文テーマに即した提案ができればと考えている。
 都市景観は、その都市に生活する市民の文化を最も端的に表現するものであり、すぐれた都市景観は、都市の個性を生み、市民の心を豊かにし、そこに愛着と誇りを感じさせてくれるとはじめに記述され手いるところである。
 しかし、景観計画は、平成16年に制定された景観法を活用し、条例がある、これにあわせて都市景観施策の課題を見直す目標、美しいまちなみを形成し名古屋のまちの魅力を高めることを目的としている。
 名古屋駅前地区周辺において元気な名古屋と最近騒がれています、でもこのような高層ビルランドマーク化されてよいと思う方も多い、だが名古屋駅前における都市景観形成地区にすごく影響があるのではないかと考える。東京から来たしとは、なにかと名古屋も、東京のように六本木ヒルズといったところや、東京駅前の丸の内ビルの傾向がしてきたようにも見えて、これからの都市のイメージとして相応しいかどうか市民の皆さんがどのように評価する見方がそれぞれ違う見方をするであろう。
 まさに、名古屋駅前を代表にして個々数年で変貌しようとしていることは確かである。名古屋らしい都市景観に相応しいものは、なにかであることをこの内容で、都市景観形成基準の運用面が名古屋駅前で実態似合っているかどうかを考察する。

国民の皆さん
 私は今日、厳粛な思いで任務を前にし、皆さんの信頼に感謝し、我々の祖先が払った犠牲を心にとめて、この場に立っている。ブッシュ大統領が我が国に果たした貢献と、政権移行期間に示してくれた寛容さと協力に感謝する。
 これまで、44人の米国人が大統領としての宣誓を行った。その言葉は、繁栄の波と平和の安定の時期に語られることもあったが、暗雲がたれ込め、嵐が吹きすさぶただ中で行われた宣誓もあった。こうした試練の時に米国が前進を続けられたのは、政府高官の技量と展望だけでなく、「我ら(合衆国の)人民」が、先達の理想と、建国の文書に忠実でありつづけたためでもある。
 それが我々の伝統だった。我々の世代にとっても、そうありつづける。
 だれもが知る通り、我々は重大な危機にある。わが国は(イラクアフガニスタンで)戦争状況にあり、敵は憎悪と暴力のネットワークを持っている。経済状況も悪く、その原因は一部の人々の貪欲(どんよく)さと無責任さにあるものの、我々は困難な選択を避け、次世代への準備にも失敗している。
 多くの人々が家を職を失い、企業も倒産した。健康保険制度もカネがかかりすぎ、多くの学校(制度)も失敗した。毎日のように、我々のエネルギーの使い方が敵を強め、地球を危険に陥れている証拠も挙がっている。
 これがデータや統計が示した危機だ。全米で自信が失われ、アメリカの没落は必然で、次の世代は多くを望めない、という恐れがまん延している。
 今日、私は我々が直面している試練は現実のものだ、と言いたい。試練は数多く、そして深刻なものだ。短期間では解決できない。だが知るべきなのはアメリカはいつか克服するということだ。
 この日に我々が集ったのは、恐れではなく、希望を選んだためで、争いの代わりに団結を選んだからだ。
 この日、我々は実行されない約束やささいな不満を終わらせ、これまで使い果たされ、そして政治を長いこと混乱させてきた独断などをやめる。それを宣言するためにやって来た。
 我々はいまだ若い国家だ。だが、聖書の言葉を借りれば「幼子らしいこと」をやめる時が来た。我々が、不朽の精神を再確認する時がきた。より良い歴史を選ぶことを再確認し、世代から世代へと受け継がれた高貴な理想と貴重な贈り物を引き継ぐ時が来た。それはすべての人々は平等、自由で最大限の幸福を追求する価値があるという、神の約束である。
我が国の偉大さを再確認する時、我々は偉大さが決して与えられたものでないことを理解する。自分で手に入れなければならないのだ。我々のこれまでの旅は、近道では決してなかったし、安易に流れるものでもなかった。それは心の弱い、仕事より遊びを好み、富と名声からの喜びのみを求める人々の道でもなかった。むしろ、リスクを選ぶ人、実行の人、創造の人の道だ。恵まれた人の場合もあるが、多くはその仕事については知られず、長く困難な道のりを歩み、我々を繁栄と自由へと運んでくれた人々だ。
 我々のために、彼らは、ないに等しい荷物をまとめ、海を渡って新しい生活を探した人々だ。
 我々のために、彼らは額に汗して働き、西部に住み着き、鞭(むち)打ちに耐え、硬い土地を耕してきた人々だ。
 我々のために、彼らは(米独立戦争の戦場の)コンコードや(南北戦争の)ゲティズバーグ、(第二次世界大戦の)ノルマンディーや(ベトナムの)ケサンで戦い、死んだ人々だ。
 歴史の中で繰り返しこうした男女がもがき、犠牲を払い、我々がよりよい生活を送れるように苦労してきた。彼らは、米国が我々の個人的な希望の集大成よりも大きい存在だと思っていた。生まれや富、党派の違いより偉大だと思っていたのだ。
 この旅を今日、我々は続けている。我々は今でも地上で最も繁栄し強力な国だ。我々の労働者は今回の危機が始まった時と同様、生産性は高い。発明心に富み、商品やサービスは先週、先月、昨年と同様に求められている。
 我々の能力は落ちていない。だが、過去に固執し、狭い利益しか守らず、面倒な決定は後回しにする時代は終わった。今日からは、我々は立ち上がり、ほこりを払い、アメリカ再建の仕事に取りかからねばならない。
 どこを見回してもすべき仕事がある。経済状況は、大胆で迅速な行動を求めている。我々は新しい職場の創造だけでなく、成長のため新しい基盤を作らねばならない。
 我々は道路や橋、電線やデジタル通信網をつくり、我々の商業を支え、我々の結びつきを強めなければならない。我々は科学を本来あるべき場所に引き戻し、技術を活用し医療の質を引き上げると共にコストを下げる。
 太陽、風や土壌を使って我々の自動車の燃料とし、工場を動かす。我々の学校や単科大、大学を新たな時代の要請にあわせるようにする。これらすべてが我々には可能だ。これらすべてを我々は実行するのだ。
 我々の志の大きさに疑問をはさむ人もいる。我々のシステムでは大きすぎる計画は達成できないという人々だ。彼らは覚えていないのだ。彼らはすでにこの国が成し遂げたことを忘れているのだ。想像力が共通の目的に出会った時、必要が勇気と出会った時、自由な男女に達成できることを忘れているのだ。
 皮肉屋が理解できないのは、彼らの下で大地が動いたということだ。我々を余りに長期間、消耗させた使い古しの政治論議はもはや適用されない。今日、我々が問うのは、政府が大きすぎるか小さすぎるかではなく、機能しているかどうかだ。家庭が人並みの収入を得られるよう仕事を見つけ、威厳をもって引退できるよう助けているかどうかだ。
 答えが「イエス」の施策は継続する。「ノー」の施策は廃止する。公金を預かる我々は、説明責任を果たさなければならない。適切に支出し、悪い習慣を改め、誰からも見えるように業務を行う。それによって初めて、国民と政府の間の重要な信頼を回復できる。
 市場が正しいか悪いかも、我々にとっての問題ではない。富を生み出し、自由を拡大する市場の力は比肩するものがない。だが、今回の金融危機は、注意深い監視がなされなければ、市場は制御不能になり、豊かな者のみを優遇する国は長く繁栄することはできないことを我々に気付かせた。
 我々の経済の成功は国内総生産の規模だけでなく、繁栄が享受される範囲や、望む人すべてに機会を広げる能力にかかってきた。慈善としてではなく、公共の利益に通じる最も確実な道としてだ。
 我々の防衛一般に関しては、我々の理想と安全のどちらかを選ぶという間違った考えを拒絶する。建国の父らは、想像もできないような危険に直面しながら、法の支配と人権を確約する憲章を起草し、それは何世代もの血で拡大されてきた。これらの理想はいまだに世界を照らし、我々は方便のためにこれらをあきらめることはない。
 だから、我々を今見ている他の民族や政府に対して言いたい。巨大な都市から、私の父が生まれたような最も小さな村まで、米国は平和で尊厳ある将来を求めるすべての国々とすべての男女、そして子どもの友人であり、もう一度、指導力を発揮する用意があることを知ってほしい、と。
 先人がミサイルや戦車を使うのみならず、信念と確固たる同盟をもってファシズム共産主義に勇敢に立ち向かったことを思い出そう。先人は軍事力だけが我々を守るのではないことや、またそれを好き勝手に使えないことを知っていた。
 代わりに、彼らは慎重にそれを使うことで力が増し、安全は目的の正しさや、他国の手本となる振る舞い、謙虚さや自制心から発することを知っていた。
我々はこの遺産を引き継ぐ。これらの原理に再び導かれ、解決により一層の努力が求められる新しい脅威に対抗できる。我々は責任を持ってイラクから撤退し始め、イラク人に国を任せる。そしてアフガンでの平和を取り戻す。古くからの友人とかつての敵と共に、核の脅威を減らすために絶えず努力し、さらに地球の温暖化とも戦う。
 我々の生き方について言い訳はしないし、それを断固として守る。無実な人々を殺したり、脅迫で自己の目的の実現を図る者に対し、告げる。我々の意思の方が強く、我々の意思を曲げることはできない。我々の方が長く生き、そして打ち負かす。
 我々の多様な出自は強みであり、弱みではない。キリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒ヒンズー教徒、そして無宗教者の国だ。地球上の津々浦々から来たあらゆる言語と文化で形作られている。内戦(南北戦争)や人種差別という苦い経験もしたが、その暗い時代をへて、我々はより強くなり、きずなも深くなった。かつての憎しみはいずれ消え、我々を分け隔てた壁はいずれ消える。世界が小さくなるにつれ、我々が共通に持つ人類愛が出現する。そしてアメリカは平和の時代をもたらす役割を果たさねばならない。
 イスラム世界との関係では、互いの利益と互いの敬意を基本として共に歩む方法を探す。対立をあおったり、国内の社会問題が生じた責任を西側世界に押しつけようとする指導者たちよ、何を壊すかでなく、何を築けるかで、国民に評価されることを知るべきだ。
 腐敗、策略、口封じで権力にしがみつく指導者たちは、大きな歴史の過ちを犯していることを知るべきだ。しかし、その握りこぶしをほどくならば、我々も手を差し伸べる。
 貧しい国々の人々には、我々が一緒に汗を流すことを約束する。農地が豊かになり、きれいな水が流れるようにし、空腹を満たすとともに、飢えた心も満たす。そして我々のように比較的豊かな国々は、国外での苦しみに無関心でいたり、影響を気にとめずに、地球の資源を浪費はできない。世界は既に変革しており、我々もそれに合わせて変わらなければならない。
 我々は進む道を熟慮しながらも、今まさに、遠く離れた砂漠や山々で警戒に当たる勇敢なアメリカ人たちへ謙虚に、そして感謝の念を持ち、思いをはせる。彼らは今日、我々に教訓を与えてくれる。アーリントン国立墓地に眠る英雄たちと同じように。彼らが自由の守護者だからだけでなく、彼らは奉仕の精神を体現し、自分たち自身よりも偉大なものが存在し、それに意味を見いだす人たちだからこそ、たたえる。そして、この歴史的な瞬間に、まさにこの精神を我々がみな共有しなければいけない。
 政府の能力や義務は、究極的には米国民の信念と決意が決定する。それは、堤防が決壊した時に見知らぬ人をも招き入れる親切や、友人が仕事を失うことになるよりも、自分の労働時間を削ってでも仕事を分け合おうという労働者たちの無私無欲のおかげで、最も暗い時を切り抜けることができる。煙に満ちた階段を駆け上がる消防士の勇気や、子どもを育てる親たちの意志が、最終的に我々の運命を決定付ける
我々の試練は新しいのかもしれない。それに立ち向かうための道具も、新しいかもしれない。我々が成功するかどうかは、労働と誠実さ、勇気、フェアプレー、忍耐、好奇心、忠誠心や愛国心にかかっている。古くから言われていることだ。だが、真実だ。それは歴史を進歩させた静かな力だった。今求められているのは、こうした真理への回帰だ。責任を果たすべき新たな時代だ。我々米国人一人ひとりが、自分自身や国家や世界に義務を負っていることを認識し、こうした義務を嫌々ではなく、喜んで受け入れることだ。私たちにとって、困難な仕事に全力で立ち向かうことほど、自らの性格を定義し、精神をみたすものはない。
 これが市民であることの代償と約束だ。これが私たちの自信の源泉だ。神が未知の運命を自らの手で形作るよう、我々に求めたものだ。
 なぜ男性も女性も子供たちも、どのような人種、宗教の人々も、こうして就任式に集まることができるのか。なぜ約60年前なら地元のレストランで給仕されなかった可能性のある男の息子が、こうして皆さんの前で宣誓式に臨むことができるのか。これこそが、我々の自由、我々の信条の意味なのだ。
 我々が誰なのか、我々がどれほど遠くまで旅してきたか。今日という日を、それを記憶に刻む日にしよう。
 アメリカ建国の年、最も寒かった時、愛国者たちは氷で覆われた川岸で、たき火のそばに寄り添い合った。首都は見捨てられ、敵は進軍し、雪は血で染まった。独立革命が本当に実現するか不確かな時、建国の父たちは、この言葉をきちんと読むよう求めたのだ。
 「未来の世界に語られるようにしよう。厳寒の中で希望と美徳だけが生き残った時、共通の脅威にさらされた国や地方が前に進み、それに立ち向かうと」。
 アメリカよ。共通の脅威に直面した非常に困難なこの冬に、これら永遠の言葉を忘れないでいよう。希望と美徳をもって、この氷のような冷たい流れに勇敢に立ち向かおう。そしてどんな嵐が来ようとも耐えよう。
 将来、我々の子孫に言われるようにしよう。試練にさらされた時に我々は旅を終わらせることを拒み、たじろぐことも後戻りすることもしなかったということを。我々は地平線と注がれる神の愛を見つめ、自由という偉大な贈り物を前に送り出し、それを次世代に無事に届けたのだ、ということを。

バラク・オバマ: For As Long As I Live... 【ポスター+フレーム】

今日はみなとみらいで結婚式であるドラム持参である

新しいまちづくりのあり方に向けて−まちづくりに必要なおかね使い方

1 はじめに
まちづくりのための投入財として「おかね」と労力と時間が想定される。江戸時代には「結」という地域相互扶助制度を農家間で結び、屋根葺き、田植え、用水路建設などを行うというように、地域の労働力によって「おかね」と時間を軽減してきた。それが近代以降、徐々に労力の交換というまちづくりの仕組みが、税制度に基づく「おかね」を中心とした都市計画に関する事業へと変わり、まちづくりと「おかね」の関係が密接なものとなった。しかし、現在の低経済成長を背景に公共事業の見直しが行わる一方で、住民参加という都市計画の主体論・手法論が幅を利(き)かすようになってきている。この流れのなかで、再び、労力と時間の提供によるまちづくりが導入されていると解釈することもでき、「おかね」の生み出し方・使い方が問われ出してきている。
このような状況の中、最近では、各行政機関において公共事業が再評価されるとともに、新たな「おかね」に関する概念が模索され、制度・取り組みとして実施されてきており、一定の評価を得つつある。都市財政が逼迫(ひっぱく)していく中、まちづくりの公共性を勘案して、より一層、おかねの集め方と使い方に知恵をしぼっていくことが必要となる。
これまでの「まちづくり」と「おかね」との関係に着目し、他の投入資源である労力、時間と関連させながら、まちづくりに関する諸制度の効果と限界について「おかね」の視点から整理し、今後のまちづくりにおける「おかね」の位置づけはどうあるべきか探ることを目指している。
おかねには、貯蓄、交換、価値尺度の多様な機能があるとされている。まちづくりにおいては、その対象の特性を踏まえた上で、おかねのこのような機能をうまく活用、場合によっては制限していくことの必要性と難しさを感ずるところである。(都市計画231〔2001〕 p4)。
そのようなことを踏まえ、都市計画税目的税であることには間違いがないが、その目的どおりに都市計画税が本来の目的に使われている使途の状況を調査し、新しいまちづくりのあり方について役立っているのかを色々な項目から検討したい。

2 都市計画とは
都市の健全な発展と秩序ある整備を図るために、土地利用のあり方、都市施設(道路・公園など)の整備、市街地開発について計画を策定し、その実現を図ることである。
一般に、都市とは物的に見れば、幹線道路・鉄道・上水道・大規模公園などの基盤的都市施設、街割(街区割り・敷地割り)によって形成される街路・小公園などの地区基盤施設と宅地、宅地上に建築される建築物、学校・病院などの公共公益施設などから構成される。こうした諸要素の相互関係を適切に保つことが都市計画の基本的な役割であることから、都市計画の構成要素も都市基盤施設や公共公益施設の配置計画、街割の計画(市街地開発の計画)、建築(土地利用)の規制に関する計画からなることが一般的である。

3 都市計画上の課題
(1) 都市交通
人の集まるところには交通が発生する。開発によって人口密度が上がると交通量が増え、既存の交通施設などではまかないきれなくなることがある。このため、交通計画と連動しつつ、土地利用を適正に計画する必要が発生する。例えば、商業地区と高層住居は鉄道の駅から近いところにのみ設定し、大きな道路や公園などの施設を駅から遠くに配置する。
(2) 都市景観
都市景観は、都市の要素の視覚的な質を問うものである。都市の要素とは、建築の形態や色、標識などの比較的小さなものから、広場の造形や街並みなど広がりのあるものまで踏まれる。
(3) 防犯と防災
都市はひとが密集し、大きなビジネスを生み出す一方、犯罪もまた都市で発生することが多い。しかしながら、犯罪が起きるのは都市の中でも人の目が行き届かない場所で発生することが分かっている。
都市はまた、火事、洪水、台風などの災害の被害を受けることがあり、海岸や河川地域では防水も建築形体や都市構造を決定する際の検討事項になっている。これまで、災害は都市が高度になるほど被害が大きくなる性質を持っており、質的転換が求められている。たとえば、下水道や電力が当然となっている地域では、そうでない都市に比べ、下水の氾濫や電力の遮断は、都市住民にとって影響が大きく、被害額も大きくなりがちである。伝統的に木造建築が密集して建設されることが多かった日本で防火の必要性が高いように、地域的な事情も勘案される。
(4) 大気汚染、ごみ、廃棄物処理
近代以降の工業化により、多くの工業製品が都市で消費され、また廃棄される。

4 日本の都市計画
(1) 都市計画の学問
日本では法的な都市計画の主な目的が基幹的都市施設整備と建築規制にあり、しかも歴史的経緯から建築学科が工学部に設置されているため、都市計画は工学部の都市工学科建築学科である建設学科、さらに造園学科、環境デザイン工学科、環境デザイン学科における教育研究領域となっているが、90年代にはいってからは日本でも、都市計画を扱う社会学系の学科なども出現して、欧米のように教室科学として社会科学の分野や地理学の分野、あるいはアーバン・デザインやランドエスケープ・デザインとして(建築デザインと同様)デザイン分野の教育研究領域にも広がっている。
(2)都市計画の種類
日本の都市計画法では、以下のような項目について「都市計画決定」がなされた公式決定事項を「都市計画」と呼び、都市計画に従って都市施設の整備事業や市街地整備事業を行うことを「都市計画事業」と呼んでいる。都市計画区域においては、開発許可制度により開発行為が制限されている。

1. 都市計画に関する基本的な方針(都市計画区域の整備、開発及び保全の方針、都市計画マスタープラン)
2. 区域区分(市街化区域及び市街化調整地区)
3. 地域地区(用途区域、高層住居誘導区域、高度地区、高度炉用地区、特定街区、防火地域・準防火地域、景観地区(美観地区は廃止)、風致地区、駐車場整備地区、臨海地区、緑地保全地区、流通業務地区、伝統的建造物群保存地区生産緑地地区など)
4. 促進地区(市街地再開発促進地区など)
5. 地区計画など(地区計画、集落地区計画、沿道整備計画、防災街区整備地区計画)
6. 都市施設(道路、公園緑地、下水道、ごみ焼却場、河川、一団地の住宅施設など)
7. 市街地開発事業(土地区画整理事業市街地再開発事業など)

などがある。都市計画は、総括図、計画図及び計画書によって規定され、これをわかりやすく示したものが都市計画図である。

5 では、なぜ、都市計画は、必要なのか
この研究は、都市の形成過程において、都市計画が社会的共通資本として、いかなる原理・原則のもとに形成されていったのかを、時代を追って検証していったものです。都市計画に関しては、都市計画の視点から系統的にまとめられたものは少なかった。なぜか、一つひとつ調べていくうちに、都市計画が継承、創出されるには、社会的な合意形成、法律、実施するための政策、財源、維持していくシステムが必要だ。つまり、「理念、法、政策、財源、維持していくためのシステム」が必要であることである。この5つがない限り、社会的共通資本として都市計画が都市の中で維持していくことはできない。
財源調達は、地方税法により、都市計画区域内の土地・建物に市町村が条例で課すことのできる税金である。算定の基礎には固定資産税の評価額を用いるが課税標準の算定方法などが異なっている。固定資産税が課税されていない場合は都市計画税も課税されず限定税率0.3%で、標準税率はない。都市計画費用などにあてられる目的税であるため、都市計画区域である市町村を除き、ほぼ全国で課税されている。

6 都市計画税
1. 都市計画税の性格
都市計画税は、都市計画事業又は土地区画整理事業を行う市町村において、その事業に要する費用に充てるために、目的税として課税されるもの。
都市計画税を課するか否か、あるいは、その税率水準をどの程度にするかについては、地域における都市計画事業などの実施に応じ、市町村の自主的判断(条例事項)に委ねられている。
都市計画事業 = 「都市計画施設」の整備に関する事業及び市街地開発事業(都市計画法第4条第15項)
都市計画施設は、次に掲げる施設である。(都市計画法第11条第1項)。
1.道路、都市高速鉄道、駐車場、自動車ターミナナルその他の交通施設
2.講演、緑地、広場、墓園その他の公共空地
3.水道、電気供給施設、ガス供給施設、下水道、汚物処理場、ごみ焼却場その他の供給施設又は処理施設など
2. 都市計画税の課税
1.納税義務者 課税対象となる土地又は家屋の所有者
        ※賦課徴収は固定資産税とあわせて行われる。
2.課税対象資産 以下の課税区域に所在する土地及び家屋
都市計画税の課税区域】
都市計画区域
線引きが行われる区域 非線引きの区域
市街化区域 市街化調整区域
全域 条例で定める区域
市街化調整区域内に所在する土地及び家屋の所有者に対して都市計画税を課さないことが当該市街化区域内に所在する土地及び家屋の所有者に対して都市計画税を課すこととの均衡を著しく失すると認められる特別の事情がある場合 都市計画区域の全部又は一部の区域で条例で定める区域
 3.税額の算出  土地又は家屋の価格(※)×税率
          (※)固定資産税の課税標準となるべき価格である。
 4.税率     0.3%を限度(制限課税)として、市町村の条例で定める。
3. 都市計画税の収入額の状況など
(単位:億円)
年度 総額 土地 家屋
平成17年度 12,330 6,817 5,513
平成18年度 11,818 6,718 5,100
※ 土地・家屋毎に四捨五入しているため、総額が一致しない場合がる。注1)

7 都市計画費(地方財政費)
財政学(地方財政論)の立場から、「まちづくりとかね」というテーマに関連してすぐに念頭に浮かぶのが都市計画費である。都市計画費は、都市計画法によって策定される都市計画事業のなかで、街路事業、土地区画整理事業、下水道事業、都市公園事業などに支出される地方財政費である。
21世紀の地方分権社会における都市計画は住民の生活を軸として構想されているべきものであり、その主体は住民であり、住民に一番近い市町村が中心になるべきと考える。2000年4月からの地方分権一括法の成立、また特例市制度の発足など都市計画の権限を市町村に委譲する方向性がでてきているが、この流れを着実なものにすべきである。
また、財源として、市町村の目的税である都市計画税が徴収されている。都市計画税は、都市計画法に基づいておこなう都市計画事業又は土地区画整理法に基づいておこなう土地区画整理事業に要する費用に充てるため市街化区域内の土地及び家屋に対して、その価格を課税標準として市町村が課税する目的税である。
つまり都市計画費は財源の一部を自ら確保しながら、かなりの額が支出されているのである。この都市計画費を分析することによって、地方財政費における、まちづくりとおかねの関係について説明しながら、都市計画費の現状が、21世紀の地方分権社会における、まちづくりとおかねのあるべき関係を示しているものなのか、もし適当でないとするならその改革の課題はなにかについて調査・検証しさらに、統計を分析し項目を検討したい。

8 都市計画費の課題と見直し
都市計画費は多くの課題を抱えている。ここでそれを列挙すると以下のようになる。①経費の多くが市町村で支出されているにもかかわらず、多くの許認可権限が都道府県に握られていること。②バブルとその崩壊など景気変動の中で踊り、踊らされてきたこと。③時代の変化させていないこと。④土木費全体も、その中の都市計画費も道路中心のものであること。⑤そのことと関連して、用地取得費の割合が高いことなどである。
このように用地取得をはじめとした道路中心の都市計画を、国民・住民の福祉を支える21世紀の地方分権社会にふさわしい、個性的地域の形成に向かう都市計画に変更していくことが求められている。

9 名古屋の都市計画
 都市計画は、都市の環境を保全し、その機能を推進するために、一体的な都市の区域内にいて、長期的(おおむね20年)な見通しのうえに土地利用を決め、さらに道路、公園、下水道などの都市施設につて、位置、規模、配置などを決め、その計画に基づいて公的機関が事業を実施し、住民によるまちづくりを誘導することによって、全体として調和のとれた市街地を計画的につくり上げるものである。
 このように都市計画では、ものをつくるという「事業」と、土地の合理的利用を図るための、また、将来の事業の支障にならないようにするための「規制」の二つが大きな内容となっており、さらにこの計画を誰が、どんな方法で決めるかという「手続き」が重要である。
 2010年・名古屋がめざす8つの都市像、①福祉・安全都市、②生きがい実感都市、③循環型環境都市、④快適空間都市、⑤にぎわい創造都市、⑥文化ふれあい都市、⑦情報・産業技術都市、⑧国際交流都市、2010年に向け名古屋がめざすまちのイメージを、生活、環境、文化、産業の4つの側面から「8つの都市像」として明らかにし、その実現に向けた取り組みの方向性を示すとおもに、まちづくりを総合的、計画的にすすめる観点から主要な施策を統合するなどし、先導的なプロジェクトを掲げ進めている。
 最近では、名古屋市景観計画(2008年4月作成)施行が10月1日から名古屋駅前都市景観形成地区及び四谷・山手通都市景観形成地区が、この景観形成計画の適用になり、良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項を設けて、都市景観が名古屋市に生活する市民の文化を最も端的に表現するものであり、すぐれた都市景観は、都市の個性を生み、市民の心を豊かにし、そこに愛着と誇りを感じさせてくれる都市景観であってほしい。注2)


都市景観形成地区
久屋大通地区
② 広小路・大津通地区
名古屋駅前地区
④ 四谷・山手通地区
景観計画区域 市内全域 
図 1景観計画区域図

 まちの魅力を高めることを目的に、景観法に基づく景観計画は、「ふれあい」と「調和」を基本理念とする都市景観法基本計画を上位計画として、その基本目標(めざすべき都市のイメージ)の実現に向けた、良好な景観形成の基準を示している。
今後も、土地利用の動向や地域住民などの意向などを踏まえ、良好な景観の形成をすすめる必要がある。


図 2 久屋大通地区
図 3 広小路・大津通地区
図 4 名古屋駅前地区
図 5 四谷・山手通地区


景観自立地区(186)
名称:景観基本ゾーン(12)

図 6 景観自立地区及び景観基本ゾーン

補注
注1)総務省地方税制度(2008.11.11.更新)都市計画税
注2)名古屋市(2008.4.1 更新)名古屋市景観計画

【参考資料】:名古屋商工会議所、なごや四百年時代検定 公式テキスト編、2007年11月29日、p33、p199より引用。

・浪漫の街、名古屋
 東西・南北に走る、2本の100m道路をはじめ整然と配置された道路や鉄道。産業や暮らしを支えてきた3本の運河。空からは見えないが、にぎやかな地下街。そして名古屋のシンボル、名古屋城。今見る名古屋らしさは、城下町・名古屋を下絵に、その後の歴史ドラマが何度も上書きされた街づくりの絵巻物である。

・モノづくり王国・名古屋のDNA
 名古屋の元気の源は、モノづくりがある。自動車、機械、航空・宇宙、ロボット、ファインセラミックス・・・。名古屋を中心とするこの地域には、世界をリードする先端産業が目白押しだ。しかしモノづくり王国・名古屋は一朝一夕にできたものではない。どんな産業分野でも、そこには百年単位で育まれてきたモノづくりのDNAが埋め込まれていることを忘れることはできない。

【新聞記事から】:2008年10月28日火曜日、日本経済新聞、朝刊、31面、特集記事より引用参照。

・名古屋
 JR・名鉄近鉄などが乗り入れる名古屋駅は国内屈指のターミナル。これまで「元気な名古屋」を象徴するように高層ビル群を形成してきた。今春には地下36階建てでらせん状の特異な外観が特徴のモード学園スパイラルタワーズが完成。駅前はサラリーマンや買い物客に加えて学生の姿も目立つ。周辺では引き続き再開発計画があり、魅力を一段と増す可能性を秘めている。
 名駅前の再開発は2000年のJRセントラルタワーズを機に本格化した。核テナントの百貨店、ジェイアール東海高島屋は08年2月期までに7年連続で増収。根気に入ってもプラス基調を維持するなど全国の小売り関係者の注目を集めている。
 09年春には名古屋市交通局の営業所跡地に東京建物や丸紅などオフィスなどが入居する高層ビルを完成させる。11年度には旧名古屋中央郵便局付近が述べ床面積約15万㎡の大規模ビルに生まれ変わる。さらに13年春までに旧国鉄貨物駅跡地など「ささしまライブ24地区」に豊田通商などが複合ビルを開業するほか、愛知大学も進出する計画だ。
 一方で、国内景気全体の減速に伴う不安もくすぶる。国土交通省が発表した2008年の基準地価(7月1日時点)では、名古屋圏の商業地の増加率は1.9%と、前年よりも5.3ポイント下がった。一部では「オフィスの建設に重要が追いついていない」との指摘もある。
 ただ、景気が持ち直せば、「再開発が従来の“点”から一気に“面”へと広がる段階に入る」(地元経済界)との期待が脹らむ。名古屋を代表するもう一つの繁華街、栄との相乗り効果もさらに高まりそうである。


写真 長者町から見た名古屋駅前の再開発ビル群(2008年11月撮影)

【図】
図1 景観計画区域図
図2 久屋大通
図3 広小路・大津通
図4 名古屋駅
図5 四谷・山手通
図6 景観自立地区及び景観基本ゾーン

【参考文献】
1. 加藤一郎(2001):『都市計画費とその課題』、都市計画論文集、2001.6 Vol.50.No.2.p9-12
2. 日笠端、日端康雄著(2007):『都市計画』、共立出版、2007年2月20日、p70-86
3. 日端康雄著(2008):『都市計画の世界史』、講談社現代新書、2008年3月20日、p160-199、p254-312
4. 小林重敬著(2008):『都市計画はどう変わるか-マーケットとコミュニティの葛藤を超えて-』、学芸出版社、2008年6月10日、p215-218
5. 伊達美徳他編(2008):『初めて学ぶ都市計画』市ヶ谷出版社、2008年3月28日、p100-107
6. 川上光彦著(2008):『都市計画』森北出版、2008年1月21日、p1-16
7. 高見沢実著(2005):『初学者のための都市工学入門』鹿島出版会、2005年3月30日、p59-113
8. 大西隆他編著(2004):『[都市工学講座]都市を構想する』鹿島出版会、2004年3月30日、076-101
9. P.コトラー+D.H.ハイダー+I.レイン著:井関利明監修他訳(1996):『地域マーケッティグ』東洋経済新社報社、1996年10月10日、p1-21、p105-149
10. ユ,メ他(2002):『都市ストック化の視点から見た都市計画及び税制等関連制度の検討』、土木計画研究・論文集、2002.9、No.24(2)pp.145-152
11. 岩中祥史著(2008):『名古屋の品格』、学研新書、2008年9月27日、p137-176
12. 都市環境デザイン会議著:『日本の都市環境デザイン2-北陸・中部・関西編』、建築資料研究社、2002年11月15日、p52-53、p68-75
13. 名古屋大学環境学研究科編:『環境研究ソースブック-伊勢湾流域圏の視点から-』、藤原書店、2005年12月30日、p168-175
14. 名古屋市住宅都市局都市計画部都市計画課編:『都市計画概要2003』、平成15年3月、p9
15. 名古屋市総務局企画部企画課編:『名古屋新世紀計画2010』、平成12年11月、

研究レポート

情報通信ネットワークにおける新技術の調査研究と、それらがもたらす新しい社会のあり方に双方向性情報伝達を含めた仕組みについての調査研究およびGISとITを利用した情報提供・共有化手法についての研究

Research concerning the information offer joint ownership conversion technique which utilizes research and study and GIS and IT concerning the mechanism which includes bi-directional information transmission to the way of the new society where research and study of the new technology in information telecommunication network and, those bring

はじめに
旧来のフロー中心の建築・都市形成に代えて、安全・安心の住まい・都市づくり、都市保全、建築の修復再生、住宅・建築の長寿命化、再生可能な資源の循環理用など建築・都市学の教育・研究を深く追求している。
快適環境分野は、いつまでも使い続けることのできる快適で美しい生活環境の形成を、意匠・空間形態面から追求します。美しい快適な形態デザインについて、地域固有性と普遍性、自然と人工の関係に配慮して、教育・研究を行う。
 本領域では、地域の環境デザイン・生活環境形成の場で、柔軟かつ具体的に対応できる人材を育成するとともに、現在検討が進んでいる建築家の国際基準・UIAをクリアできるよう教育の編成を行う。
 本領域は、公共団体・民間企業・市民団体などの専門職や設計・プランニングの技術者、あるいは独立の専門職能としての活躍が期待される。
環境で経済を開拓して
 消費者が商品の量的な充足から質的な充足を求めよるようになった今日、グリーン調整に代表されるように環境配慮型の製品に対する需要が高まっている。
 企業の活動も、商品開発、製造、販売、廃棄の全ての過程において環境配慮がもとめられており、そのたもの3R(リデュース、リユース、リサイクル)への取組が拡大してきている。
 このような中、社会の環境ニーズに応えることができる環境技術を創造し、産業化するとともに、限りある資源の循環利用に取り組む。
 このため、環境技術開発を進めるとともに、既存産業インフラを活用した環境ビジネスの振興を図るほか、新たな環境ビジネスモデルを創出する。
 また、モノづくり産業だけでなく、商業・サービス業、農林水産業も含めた企業・産業の環境配慮を促進する。
 快適な住まいとは、日照シュミレイションによる1日を冬暖かく、夏涼しい手法といった風通シュミレイションを、構築した持続できるか快適な環境住居であることが必要である。同じ大きさ、同じ建築条件の敷地でも、間取りによって、居住スペースの広さや暮らしやすさが違って来る。間取りを工夫して、同じ敷地に広くすむ環境条件ではないだろうか。


写真1 ハワイホノルル中心街
 
写真2 ホノルル空港

都市の持続可能性の向上
 わが国の経済社会が成長から成熟(あるいは衰退)に移行するとともに、少子高齢化社会、人口減少社会が到来する。このような状況の中でも国民が質の高い生活を送ることができるよう、自然に恵まれ、美しい街並みを持った持続可能なまちづくりを進める。
 このため、市民と自然とのふれあいを推進しながら水循環や里山里山などの自然環境を保全する。また、廃棄物の適正処理や都市の建物・施設の長寿命化を進めるとともに、良好な景観や潤いのある街並みの形成を図り、美しいまちづくりを推進する。
 公共交通機関の利用促進、太陽光発電などの自然エネルギー利用促進、廃棄物・環境汚染物質等の削減などを進めることで、都市の環境負荷を減らす。

今後の進め方や主な取組
 共に生き、共に創る社会の構築、環境で経済を研く、都市の持続可能性の向上などを進めるにあたるには、市民意向の移行、動向の希望していることについて調査する必要がある。このためには、市民、企業、大学、行政が一体となって克服し取組まなければならないであろう。
 今日においてもそのネットワークや信頼関係は存続しており、まちづくりに活かされている。他のまちづくりと同様に環境施策の推進は、行政だけで成し遂げることはできないため、市民、企業、行政などが一体となった世界の環境首都づくりを進める。
 このため、まちを構成する市民、企業、大学、行政などが産学官連携し、環境活動の環(わ)を広げることでまちの「環境力」を高める。また、環境学習の推進や環境リーダーの育成などにより優れた「環境人財」を生み出すと共に、その「環境人財」を中心に地域コミュニティを活性化する。

提案するまちづくりと様々な手法の施策
「事例」
地域経済再生への挑戦
三重県クリスタルバレー構想―液晶をはじめとするフラットパネルディスプレイ産業の世界的集積をめざしてー
地域・大学連携の新たな展開
 IAMS(イアマス)における地域貢献事業(岐阜県
景観行政の新展開
県境を越えた景観形成―共に育てる海峡空間の風光―(下関市
都市政策と住民参加
 景観基本条例と住民参加―大津市の事例として
都市をリ・デザインする
 コンパクトなまちづくりによる都市再生(岐阜市
スローライフによるまちづくり
 飯舘村からのスローライフ提案“MADAY LIFE(マデイライフ)”で行こう
北海道の景観行政
 美しい景観のくにづくりに向けて(北海道)
産業のまち「すみだ」とこれからの中小企業施策(東京都墨田区
地域経済活性化に向けた取組について(福島県いわき市
自治体と大学が目指す双方の活性化と地域振興―すみだ型産学連携―(墨田区
「地域と大学の相互協力による地域振興」について(浦安市
水の都大阪の再生(大阪府
東京都におけるヒートアイランド対策(東京都)
練馬区における参加のまちづくりの試みー都市計画マスタープランづくりからまちづくり条例―(練馬区
富山市におけるコンパクトなまちづくりへの取組(富山市
まちづくりAnjoの取組(安城市

事例研究
地域産業の再生―三重県の事例―
 三重県は、人口約187万人(平成17年国勢調査)で、豊かな自然と温暖な気候に恵まれた農林水産業、そして名古屋圏や大阪圏に近い恵まれた地理的条件を活かした工業が盛んな地域である。
 三重県では、県の総合計画である「県民しあわせプラン」を平成16年度に策定し、その中で産業政策の主要な柱の一つとして「戦略的な企業誘致」を掲げている。そして、現在、三つのバレー構想が推進されている。バレー構想とは三重県内の産業構造を国際競争に打ち勝てる多様で強靱なものにするための産業政策で、県内の産業集積を活かし、より一層の集積を図る戦略的な取組である。具体的には、クリスタル(液品をはじめとするフラットパネルディスプレイ)、メディカル(医療・健康・福祉)、シリコン(半導体)の三分野で、現在、構想が進められている。
クリスタルバレー構想
 平成12年度から推進されているクリスタルバレー構想であるが、この構想の核企業であるシャープ?の亀山市への工場誘致はその代表的なものと言える。この構想の基本理念は、「三重県に液晶をはじめとするFPD(フラットパネルディスプレイ)産業の世界的集積地をつくることで、多様で強靱な産業構造を形成し、魅力ある地域づくりを目指す」ことであり、県は、そのための取組を「クリスタルバレー構想推進プログラム」として取りまとめ、構想の実現に向け、戦略に取り組んでいる。

戦略的な企業誘致活動
 三重県は、県が行う企業誘致施策を体系化するため、平成15年「三重県企業立地促進条例」を制定し、これをもとに、各種施策が積極的に実施されている。中でも限度額を90億円とする誘致企業への補助金制度や、時間重視のワンストップサービスなどは、これまでにも話題となったことがあるが、これら施策の積極的な推進により更なる集積に向け誘致活動が展開されている。
 実際に三重県のFPD関連産業の集積状況を見てみると、シャープ?とそれに関連する企業の集積が多く見られることが特徴としてあげられる。ガラス基板、偏光板関連、フィルム、製造装置関連及び液晶パネル組立関連工程など様々な業種の集積が進み、平成18年10月現在の集積数は、67社76拠点となっている。
 そして、集積が進む三重県では、地域外からの企業誘致によるこの外発的発展を次のステージである内発型発展へと成長させていく時期にあると考えられる。

写真3 京都鴨川の水辺
ニュース
 世界の都市景観とは何かを求めて経済の持続可能への計画、都市のあり方どのようにしたらよりよい環境スペースがあるのかを、今ある街に甦らせる都市再生とは何かについて研究、検討として調査し、より快適な都市・地域計画を形成されるまちづくりを研究する。
 それには、私たちの目指す持続可能な社会をつくるため、家庭、地域、職場において、主体的に環境保全に取り組むことが必要である。そのため、個人が自発的に取り組む活動、基盤である環境保全の意欲の増進や環境教育を進めるべきである。

● 岐阜の繊維問屋街、仮想商店街を開設
HYPERLINK "http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20080104c3d0401c04.html" http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20080104c3d0401c04.html
● 都市研究所スペーシア
HYPERLINK "http://www.spacia.co.jp/rubadub/2001/index.html" http://www.spacia.co.jp/rubadub/2001/index.html
● まち・みせ観察記29【京都四条は田舎道:日経Shop】
HYPERLINK "http://www.shopbiz.jp/contents/news_SB/34_147.phtml" http://www.shopbiz.jp/contents/news_SB/34_147.phtml
● よみがえれ「都市」
HYPERLINK "http://www.decn.co.jp/2000sc/ts/200010303501.htm" http://www.decn.co.jp/2000sc/ts/200010303501.htm
● 横浜市 都市経営局 政策課 中期計画
HYPERLINK "http://www.city.yokohama.jp/me/keiei/seisaku/newplan/siryo01.html" http://www.city.yokohama.jp/me/keiei/seisaku/newplan/siryo01.html
● 世界の環境首都をめざして:北九州市 環境局総務部計画課
HYPERLINK "http://www.city.kitakyushu.jp/file/26010600/shiminkyodo/foram/dai3gd.pdf" http://www.city.kitakyushu.jp/file/26010600/shiminkyodo/foram/dai3gd.pdf
● 風景44:「川からの都市再生−世界の先進事例から−」
HYPERLINK "http://www.ne.jp/asahi/yoikawa/suikei/sub3-44.htm" http://www.ne.jp/asahi/yoikawa/suikei/sub3-44.htm

世界の都市は、今、持続の危機を迎えている。アジアや途上国の大都市は多くの脆弱性を抱えたまま急速に巨大化している。人口1000万人以上の巨大都市(メガシティ)は1985年時点では世界に8つしかなかった(東京、ニューヨーク、メキシコシティサンパウロ、上海、ブエノスアイレスロスアンジェルス、大阪)。これが2015年には23になることが予測されている。新たな15の巨大都市は、すべて、アジア、中南米、アフリカの都市である。
一方、先進各国では、郊外に市街地が拡散し中心地が空洞化する現象が続いてきたが、こうした動向に立ち向かい都市空間構造を持続可能なものに再編・再生しようとする様々な試みが始まっている。日本でも、都市空間は農山村から人口を集め、肥大化しつつ郊外に拡散する一方、中心地の空洞化が続いて来たが、近年は、都心回帰・まちなか回帰の現象も生じ、少子高齢化・人口減少の進行とともに、郊外空間の空洞化と内部市街地の局所的再過密化が懸念されているところである。いずれにせよ、従来の都市社会・都市文化は崩壊の危機にある。それぞれの地域固有の伝統を受け継ぎつつも、現在や将来の世代の諸要求に適応した、持続可能な都市社会・都市文化と、これを包摂しうる都市空間を構築・再生することが全地球的な課題となっている。

社会情報と人間を結ぶ情報システムの可能性
 現代社会では、様々な情報システムが続々と開発され、私たちの日常生活は情報システムの進展により大きな変化が生じている。
 特に情報システムのうちでも、GIS(Geographic Information Systems;地理情報システム)は研究面だけでなく、行政、企業が提供するサービス、市民による社会活動など、様々な場面で利用されているようになった。
そしてGISでは、一方的に情報提供を行うだけでなく、デジタル地図を利用した双方向性の情報交流や多様な主体間の情報共有を行うことができる。
 これらの背景は、他の情報システムとは大きく異なり、デジタル地図上に多様な情報を掲示し、情報提供・共有化を行うことができるというGISの大きな特徴がある。
 またインターネット、携帯電話、デジタルテレビ放送などのITと結びつくことにより、多くの新しいメディアが実社会で利活用され、広く社会に情報提供を行い、意思決定支援を行うことができるようになった。
 さらにGIS以外にも多様な情報システムが社会で積極的に利用されることにより、より良い地域づくり、環境づくりを行うために市民参加を促進することができる可能性がある。

双方向性メディアにはあらたな情報提供の伝達を含めた仕組み
特にこれらのメディアが持つ双方向性の特徴は、自治体から住民への一方性を中心とした従来の情報伝達形式の枠を超え、より多様性のある情報伝達を生み出す可能性を持つ新たな情報提供をする。
社会生活情報(ネット情報社会)などに必要な、ありとあらゆるものに、ICバーコード、チプをそれぞれに埋め込み、インターネットの地図上で、カードイメージとして避難所やイベント情報、画像や動画による情報を容易に提供・修正・閲覧が可能なシステムの開発など、双方向性の活用による新たな情報提供、また、実証実験を重ねることでより利便性の高い仕組みの構築し、研究考察を目指する。
情報化・メディア化の社会に対する影響は多大である。そのインパクトをメディアコンテンツの内容分析と、社会科学的な社会構造分析の手法を組み合わせることによって、様々な社会現像の具体的な分析が行なえるようにする。

参加型メディアの新たな仕組みが住民に情報の意識を高める
住民・自治体間、あるいは住民同士など、各コミュニティー構成員間での双方向情報伝達を含めた仕組みを考えていかなくてはならない。その最重要なのは、内容や対象者に合わせた各メディアにおける情報技術の選択や、地理的・時間的などの情報性質に合わせた見せ方の工夫である。また、提供者だけでなくシステムを管理する側にとっても効率の良い提供方法や運用形態を構築することも必須である。
一方、インターネットなどで双方向の情報のやりとりを想定した場合、情報の信頼性の確保や個人情報保護問題など負の要素の解決や、コストパフォーマンスの確保などできなければ現実的な手段と言えなくなるおそれもある。このように新しいメディアならではの課題も多いが、双方向性の活用による参加型の新たな取り組みが、住民の情報意識をより高めていくものと期待される。テレビやラジオなどの放送メディアが情報の手段に優れている点として、即時生と共に日常において身近な存在であり、ほとんど毎日利用していることが重要である。

■研究方法
社会情報システムとしてのGIS
 GISは、以下のような特徴を持つ社会情報システムであり、人間と社会をつなぐためにこれから大きな役割を果たすことが期待される。
位置や空間に関する情報をもつたデータ(空間データ)を総合的に管理・加工し、デジタル地図上に視覚的に表示できるため、迅速な分析や判断を可能にする。
多様な情報源から大量の空間データを取り込み、デジタル地図を利用したデータベースを作成する。
データベースを効率的に蓄積・検索・変換・解析して地図を作成し、情報提供・共有化や意思決定支援を行う。


■研究計画書
近年の研究
 これまでに行ってきた研究はGISを利用した研究が中心であり、以下の3つに大別することができる。
GISによる土地利用解析を基礎とした研究
 ・情報解析ツール、データベース作成ツール、情報提供・共有化ツールとしてのGISの利用
GISとITを利用した情報提供・共有化手法についての研究
情報提供・共有化ツール、意思決定支援ツールとしてのGISの利用
環境意識・環境配慮行動に関する研究
環境づくり、地域づくりの市民参加を進めるための社会情報システムを利用した方策